STORY

ファンの熱い思いをつなぐリサイクルポリエステル

スポーツは「する」だけでなく「みる」ことも楽しみ方のひとつ。そんな誰もが楽しめる「スポーツ」において、選手が安心して実力を十分発揮できるように、また観戦する人が快適に応援に集中できるように、「せんい」が活躍していること、ご存知ですか?

実は、選手やスタッフのユニフォームなどの衣料品だけでなく、球場やスタジアム内の施設や周辺にもさまざまな「せんい」、さらにはリサイクルポリエステル繊維が多く使われています。
そこで今回は、阪神甲子園球場・阪神タイガースファーム新球場での「せんい」の活躍や「環境にやさしい球場」を目指した取組をご紹介します。

阪神甲子園球場における環境保全プロジェクト「KOSHIEN“eco”Challenge」

2012年から、阪神甲子園球場と共同で、回収したプラスチックカップからリサイクルポリエステル原料を製造し、その原料を使用したイベントノベルティを制作するなど、環境保全に向けた活動を実施してきました。さらに、2021年からは阪神甲子園球場の環境保全プロジェクト「KOSHIEN“eco”Challenge」のもと、「環境にやさしい球場」を目指し、球場スタッフユニフォームへの当社リサイクル素材の採用や他のオフィシャルエコパートナー企業と連携した取組など、「eco」な活動が広がっています。

球界初、球場設備へのビールカップリサイクル素材の採用

2023年、さらなる用途拡大として、阪神甲子園球場内で回収した使用済みプラスチックカップ由来のリサイクルポリエステル原料「エコペット」を一部使用したクッション材が、同球場内のアルプススタンドのラバーフェンス中材として採用されました。
ラバーフェンスは、全力でプレーする球児や選手がケガをしないよう、ぶつかった衝撃を受け止めてくれるもの。プラスチックカップを片手に選手を応援するファンの熱い思いも受け止めてくれているように思います。

※ラバーフェンスの断面
よく見ると、タテに線が入っていてスポンジが何層も重なっていることがわかります。
矢印(→)の方向からの衝撃をしっかりと受け止めます。

阪神タイガースファーム新球場の観客席にも

2025年3月開設の阪神タイガースファーム(2軍)の新球場「日鉄鋼板 SGLスタジアム 尼崎」。ここでも阪神甲子園球場で回収したプラスチックカップ由来のリサイクルポリエステル原料からなるタテ型不織布が採用されました。今回採用されたのは、観客席(バックネット裏前方エリア)の背中部分のクッション材。このタテ型不織布は優れた耐久性・通気性や軽量性などの機能があり、高機能クッション材として寝具やシートなどに多く採用され高い評価を受けていますから、長時間の観戦も快適に楽しめそうですね。

写真:コクヨ(株)提供

球場から球場へ、選手を応援する熱い思いと分別回収に協力する優しい思いが、「せんい」を通して、つながっているようです。環境にやさしい球場は、球児や選手にも、そしてファンにも優しい球場なのですね。

 

CONTACT

THINK ECO